『極限脱出』『AI: ソムニウム ファイル』の打越鋼太郎さんが、ゲーム開発でのAI利用を長文で説明。Xで82万件以上表示され、賛否が広がっています。🔥
To everyone who has concerns about the use of AI
— Kotaro Uchikoshi Eng (@Uchikoshi_Eng) 2026年11月1日
This morning, in the hallway of the apartment building where I have my office, I ran into a little old lady from the neighborhood. She's a really friendly lady, past 90 but still sharp as a tack and a lot of fun to talk to.…
📝 ポストの和訳(編集部による意訳)
AIの使用に懸念を持つすべての方へ
今朝、事務所のあるマンションの廊下で、近所のおばあさんに会いました。90歳を過ぎても頭がとてもしっかりしていて、話していて楽しい、本当に気さくな方です。
続きの和訳を読む(全文)
おばあさんは孫の話や、ちょっとしたうわさ話(となりの男性と暮らしていた女性が最近出ていったらしい)を聞かせてくれました。そしてにっこり笑って、私の手に小さなアメを握らせて去っていきました。
心が温かくなりました。くさいですが、人間ってすばらしいなと思いました。今のAIには絶対にできないことだからです。
それでも、本当に申し訳ないのですが、私はゲーム開発にAIの居場所はあると今も思っています。みなさんをがっかりさせてしまったことは本当に心が痛みます…。でも、どうしてもみなさんにうそはつけません。
どうか誤解しないでください。私はみなさんと言い争いたいのではなく、みなさんの意見を心から尊重しています。信じがたいかもしれませんが、私はみなさんの味方です。私がAIを武器として手に取ったのは、みなさんを守るためだと分かってもらえたらうれしいです。
もう私のことが嫌いになったなら、それでもかまいません。フォローを外しても、私のゲームを買わなくなってもかまいません。どちらにしても、長年いただいた応援は決して忘れませんし、ずっと感謝し続けます。
以前、私はLGBTQ+の方々を支持すると発言し、「支持するなら、もうお前のゲームは二度と買わない!」と多くの人に言われました。それでも私は今もその考えを変えていませんし、今回も同じです。「何よりも、己に誠実であれ」という言葉があるでしょう。
◆私のことを誤解されているかもしれません
「ヒャッハー!AI最高!AIでゲームを量産するぜ!」…そんな気持ちはまったくありません。正直に言うと、AIなんて使いたくもないんです。もっと言えば、コンピューターも電気も車も使いたくない。できるなら今すぐ引退して、山奥にこもり、じゃがいもとマンドラゴラを育てて暮らしたいくらいです。
大昔の日本の「縄文時代」、人々は狩りと採集で暮らし、1万年以上も平和に暮らしたと言われています。本気であの時代に戻りたい…。でも現実には無理です。人間は便利な道具、新しい技術を手にしたら、もう手放せません。
パンドラの箱はすでに開いています。それなら、安全に、責任をもって使う方法を探すことに力を注ぐべきではないでしょうか。
私が使わなくても、だれかが使います。実際、ゲーム開発だけでなく、映画や映像の制作、あらゆる工業製品の開発にも使われています。ほかの分野ならよくて、ゲーム開発ではだめなのでしょうか…?それとも、ウチだけが使ってはいけないのでしょうか…?「灼熱の砂漠を渡るのに、ほかのみんなは車でいいけど、お前だけは歩いて行け」と言われている気がします。
今のままでは、AIを使っていると正直に言う人のほうが、隠している人より不利になりかねません。でも私は、みなさんにも自分にも正直でいたい。次の作品で「AIを使いましたか?」と聞かれたら、「まったく使っていません」とうそはつけません。だからあのインタビューで、本当の気持ちを正直に話したのです。
◆記事の誤解を招く部分について
あの記事の書き方に誤解を招く部分があったのは認めます。私は大きな出来事があると「原因の原因」まで考えてしまうくせがあります。つまり、企画が中止になったことと、AIを使わなかったことに、直接の因果関係はありません。「原因の原因の原因の原因…」というくらいの話です。
記事では、私が「もっと積極的にAIを使ってゲームを作るべきだ」と言ったことになっています。似たことは言ったかもしれませんが、本当に言いたかったのは「ゲームのつくり手に、AIを使う選択肢があってもいいのでは?(※もちろん適切な所だけで)」という、もっとささやかな提案でした。使うかどうかは、みんな自由に選べるべきです。短くまとめようとして言い方を間違えました。私の誤りだと認め、心からおわびします。
「物の位置を調整するとき、AIに何度でも直してもらえる」という話も、ずいぶん省いてしまいました。本当はこうです。
・アイデアとデザインは人間が作る
・AIは「人間が数値を簡単にいじれる仕組み」を作るのに使う
・最後の調整も人間が手で行う
◆CRASH KEYSの公式サイトの作り方
CRASH KEYSの公式サイトは、まさにそうやって作りました。ロゴは私がAdobe Illustratorで全部手描きし、デザイン・レイアウト・構成も私が考えました。その設計図をもとに、HTML・CSS・JavaScriptをAIに書かせました。でもその時点の完成度は3割にも届いていません。
そこからは地獄のような微調整でした…。物の位置・大きさ・色、惑星と地球の軌道や速さ、出てくるタイミング…全部を手で何度も直し、どの端末でも正しく表示されるよう調整しました。サイトの文章は私とチームで全部書きました。全部でおよそ1か月かかりました。だから「全部AIが作った」と疑われると本当に悲しいです…。
(※地球の画像は正規に購入した商用素材です。ただ、赤いフィルターをかけるのにAIを使ったのは事実で、意図したものではなかったので別の画像に差し替えました。)
◆画像・動画を作るAIのことではない
私が「AIを使う」と言ったのは、画像や動画を作るAIのことではありません。「AIは優れたイラストレーターのようなデザインは決して作れない」と何度も言ってきました。言いたかったのは、制作の途中の面倒な作業の一部ならAIに任せてもいいのでは…? そして、つくり手にその選択肢すら与えられていないのは正しいのだろうか…?という素朴な疑問です。
◆作品の「魂」について
昔、小説家が万年筆からワープロに変えたとき「機械で書いた言葉に魂は宿らない!」と言われました。映画がテレビや配信に移ったときも、ゲームが生まれたときも同じでした。それがどれほど間違っていたか、みなさんがいちばんよくご存じのはずです。
制作の一部でAIを使っても、作品の魂は失われません。AIは無能な助手にすぎませんが、つまらない作業を文句ひとつ言わずに引き受けてくれます。空いた時間で、つくり手は作品に魂を込めることに集中できるのです。名作のつくり手が思い描いていた「100%の完成版」を見てみたいと思いませんか?
◆無断学習への考え
AIは他人の作品を無断で学習に使い、不当に利益を得ている、という声には、私もおおむね同じ意見です。有名なイラストレーターの画風をまねた生成画像は、本当に嫌な気持ちになります。イラストレーターへの深い失礼で、芸術そのものへの侮辱です。魂のない、ゾンビのような生成画像は強く非難すべきです。
一方で、AIが他人の作品から学ぶこと自体は、人間も同じことをしているので、ある意味では仕方ないと感じます。ただ人間は作品に何らかの形でお金を払っています。法律が急いで追いつき、作品を使われたつくり手に正当な対価が払われるようになるべきだと思います。それでも、AIを禁止するのが正解だとは思いません。
◆仕事と資源について
「AIのせいで仕事を失う人がいる」という声もあるでしょう。OECDの2024年の調査では、中小企業5,000社以上の83%が「生成AIで必要な人員は全体として変わっていない」と答えました。世界経済フォーラムの2025年の報告は、2030年までに9,200万の仕事が失われる一方、1億7,000万の新しい仕事が生まれると見込んでいます(※AI以外の要因も含む予測)。画期的な技術はいつも新しい仕事を生んできました。私は、つくり手がAIに仕事を奪われるとは思っていません。
「AIは大量の水などの資源を使う」という心配はもっともです。でも、新しい薬の発見や病気の治療、農業の効率化、災害の予測など、利点も否定できません。AIを禁止しても環境問題が解決するとは限らず、むしろAIの力を借りたほうが解決の糸口が見つかるのでは、と思います。
◆AIは人類を滅ぼすか
『ターミネーター』や『マトリックス』のような世界が来ることは、まずないと思います。有名な思考実験「ペーパークリップ・マキシマイザー」(哲学者ニック・ボストロム・2003年)では、「クリップをできるだけ作れ」と命じられた超知能AIが、地球も宇宙もクリップに変えてしまいます。でも、人間の何千倍も賢いAIが、そんなばかげたことをするでしょうか。効率よく作り続けるには科学の知識が要り、そのためには人間を含む生命を観察するのがいちばんです。だから私は、AIが貴重な研究対象である人類を滅ぼすことはないと思うのです。
◆最後に
長くなりましたが、これが私の正直な考えです。AIは諸刃の剣です。それでも私は、人類の文明は未知への好奇心に突き動かされて進んできたと信じています。扉の向こうには、まだだれも見たことのない無限の可能性が待っているかもしれません。私はその扉を開けて、だれも見たことのない物語を作り、みなさんにまったく新しい感動を届けたい。だから扉の鍵を開けることにしました。この手に握りしめた、CRASHED KEYで…。
◆いつ、どこで?
11月1日にX(@Uchikoshi_Eng)で英語の長文を投稿
◆何を語った?
「ゲーム開発にAIを使う余地はある」という考えと、その理由
◆ネットの反応は?
共感・反発・戸惑いと、意見が分かれています

青瀬すい長い文章ですが、打越さんなりに丁寧に言葉を選んでいるのが伝わってきます。
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📢 何を投稿した?
打越鋼太郎さんは11月1日、
Xの英語アカウント@Uchikoshi_Engで、
AIの利用を心配する人たちに向けた長文の投稿をしました。
『Ever17 -the out of infinity-』や「極限脱出」シリーズ、
『AI: ソムニウム ファイル』シリーズを手がけたシナリオライターです。
10月15日には、株式会社Crash Keysの設立を発表しています。
| 投稿日 | 11月1日 |
|---|---|
| 場所 | X(@Uchikoshi_Eng) |
| 言語 | 英語の長文 |
| 表示 | 82万件以上 |
🤔 AIの使い方について何と言っている?
「ゲーム開発にAIを使う余地はある」
という考えを、率直に説明しています。
退屈な作業の一部をAIに任せれば、
作り手は創作に時間を使えるという立場です。
アイデアとデザインは人間が作り、
最後の調整も人間が手で行う。
AIは「人が値を調整しやすい仕組み」を作るために使う、と説明しています。
| 設計・デザイン | 人間が作る |
|---|---|
| 仕組みづくり | AIを使う |
| 最終調整 | 人間が手作業 |
🌐 公式サイトはどう作った?
公式サイト「CRASH KEYS」について、
ロゴはIllustratorで自分で描き、
設計や構成も自分で考えたといいます。
HTML・CSS・JavaScriptはAIに書かせ、
その後の細かい調整を手作業で行い、完成まで約1か月。
サイトの文章もチームで書いたそうです。
| ロゴ | Illustratorで手描き |
|---|---|
| 設計・文章 | 自分たちで作成 |
| コード | AIが作成 |
| 調整 | 手作業で約1か月 |
⚖️ 学習データや仕事への考えは?
他人の作品を無断で学習に使う問題には、
「おおむね同意」と書いています。
法律の整備を急ぎ、クリエイターへ正当な対価が払われてほしいとも。
一方で、AIの禁止は正しい答えではないという考えもはっきり述べています。
AIで仕事が奪われるという心配には、
OECDや世界経済フォーラムのデータを挙げて反論しています。
ネット上の反応
分析系のAIと生成AIは別物、という指摘に共感
昨日まではAIなしでゲームを作れていたのに、なぜ今になって必要と感じるのか。周りの圧力に流されているだけでは?
スパイダーバースの使い方は受け入れられたのに、なぜ今回は…
隠す開発者が多い中、ここまで説明するのは評価できる
反AIの強硬派には嫌われても、時代の先を行っている
生成AIの利用を、弱い立場の人たちへの支持と同列に語ったのは疑問
読まずに悪く解釈する人が多いのは残念
ネット上の反応をまとめています
管理人のひとこと

自分の考えを正直に伝えようとする姿勢が印象的です。賛否はありますが、ファンの声に向き合う言葉が並んでいました。




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